胆のうがんとは|検査や治療、ステージなど

胆のうがんとは

胆のうは肝臓の下にあり、肝臓でつくられた胆汁という消化液をいったんためておく袋のような臓器である。食べ物をとると、胆のうはその情報をキャッチして胆汁を分泌し、胆のう管から総胆管を通って十二指腸に流れ込んで消化を助ける。胆のうや胆のう管にできた悪性の腫瘍を「胆のうがん」という。

胆のうがんを起こす危険因子としていくつかの病気が知られている。胆石、胆のう・胆管炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、原発性硬化性胆管炎、膵胆管合流異常症などである。その他、女性であること、肥満や高カロリー摂取、野菜・果物不足などもリスクとしてあげられている。

胆のうがんは、胆石や胆のう炎を合併していると強い痛みや熱が出る場合もあるが、これはがん自体の症状とは違う。胆のうがんでは、がんが進行して肝臓、総胆管、十二指腸などにがんが及ぶと、その程度によっていろいろな症状が出てくる。最もよくみられるのが腹痛である。みぞおちや右わき腹に鈍い痛みが出てくる。次によくみられる症状は黄疸(目や皮膚が黄色くなる症状)である。がんが広がり胆道をふさぐと胆汁が肝臓に逆流して黄疸が現れる。進行すると便の色は白っぽくなる。病変が大きくなると、右わき腹に「しこり」を触れることもある。

最近は、超音波検査が普及して胆のうがんが早期に発見される機会が増えた。早期発見で手術ができれば完治も見込める。胆のうがんによる死亡率は、1990年代から減少傾向にある。症状が続くときは早めに受診することが早期発見につながる。

なお、胆のうの壁から内側にキノコ状に隆起する胆のうポリープは良性のことが多いが、がんとの区別が難しいこともある。最大径が10㎜を超えると胆のうがんの可能性がある。

胆のう及び他の胆道がん死亡者数


胆のうがんの検査と診断

胆のうがんを診断し、がんの広がりの程度を調べるために血液検査や超音波検査、CT、MRIなどの検査を必要に応じて行う。

血液検査

胆のうがんの初期は血液検査で異常は出ないが、がんが広がって胆道を圧迫するようになると、血中のビリルビンやアルカリホスファターゼ(ALP)の数値が高くなる。血液検査によって、体のどこかに潜んでいるがんを診断する腫瘍マーカーも使われます。胆のうがんでは、CEAやCA19-9といったマーカーが用いられる。ただし、腫瘍マーカーの数値は胆のうがんがあっても必ず上昇するとは限らない。

超音波(エコー検査)

超音波を体の表面にあて、臓器から返ってくる反射の様子を画像にする検査。苦痛がほとんどなく、何度も行えるので胆のうがんが少しでも疑われたときに最初に行う検査として適している。

また、先端にライトとカメラレンズ(ビデオスコープ)のついた内視鏡に、超音波検査のプローブ(超音波を発生する装置)がついた超音波内視鏡(EUS)という検査も胆のうがんの診断のために行われる場合がある。

CT、MRI検査

CTは、Ⅹ線を使って体の内部(横断面)を描き出し、治療の前にがんの性質や分布、転移や周囲の臓器への広がりを調べる。MRIは磁気を使う。超音波検査で胆のうがよく見えないときや、胆のうに何らかの異常が疑われるときにCT検査を行う。たくさんの情報を短時間に得ることができるマルチスライスCTがよく使われる。さらに詳しく調べるときは、MRIを使って胆のう・胆管などの状態をみる検査(MRCP:磁気共鳴胆管膵管撮影法)が行われる。CTやMRIで造影剤を使用する場合、アレルギーが起こることがあるので、以前に造影剤のアレルギーの経験のある人は医師に申し出る必要がある。

内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)

胆のうがんの状態を詳しく調べたり、黄疸が出た場合に、胆管がふさがっている状況を調べるために、この検査を行うことがある。のどに麻酔をかけ、内視鏡を口から入れて十二指腸まで送る。必要に応じて、鎮痛剤や鎮静剤を使う。次に内視鏡の中にカテーテル(細い管)を通して胆管まで入れる。このカテーテルを通して胆管の中に造影剤を流してX線撮影を行う。検査と同時に、黄疸や胆のう炎、胆管炎などに対する処置としても行われることがある(内視鏡的胆道ドレナージという)。

血管造影検査

進行がんの場合、手術前にがんが肝臓の動脈や門脈に広がっていないかどうかを調べる血管造影が行われることもある。血管にカテーテル(細い管)を入れて造影剤を流し、X線撮影する検査。

胆のうがんの病期(ステージ)

病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいう。説明などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多い。病期には、ローマ数字が使われ、胆のうがんでは、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期(Ⅳa、Ⅳb)に分類されている。胆のうがんの場合、特に重要なのは遠くの臓器に転移しているかどうかである。そのうえで、がんがどのくらい深く入りこんでいるか(深達度)、リンパ節への転移があるかどうかなどの情報を参考にする。病期によって治療方法が決まっている。

リンパ節転移の程度は胆のうの原発がんからの距離によって3群に分けられている。ただし、手術前にリンパ節転移があるかどうかを詳しく調べるのは困難である。



治療法

手術(外科療法)

<特徴>

がん病巣を手術で除去する療法で、原発巣だけでなく、他の部位に転移した転移巣も取り除きます。がんそのものを外科手術で除去する局所療法です。がんの治療法として最も基本的な治療法です。
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抗がん剤(化学療法)

<特徴>

化学物質(抗がん剤)を利用してがん細胞の増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療法です。全身のがん細胞を攻撃・破壊し、体のどこにがん細胞があっても攻撃することができる全身療法です。
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免疫細胞療法

<特徴>

身体の免疫を担う本人の細胞を体外で大量に数を増やし、機能を増強あるいは付加した上で体内に戻して行われる治療法です。上記の三大治療法に対して、近年注目されてきている、副作用がほとんど確認されていない先進的ながん治療法で、目に見えないがんや転移防止に有効な全身療法です。
がんに対する抗がん剤などの積極的な治療は行わず、症状などを和らげる治療に徹する
ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)の選択肢の一つです。
免疫療法は副作用が少ないため、症状の緩和やQOLを高めることにつながります。
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放射線療法

<特徴>

腫瘍の成長を遅らせるために、あるいは縮小させるために放射線を使用する治療法です。がんに侵された臓器の機能と形態の温存が出来ますまた、がんの局所療法であるため、全身的な影響が少なく、高齢者にも適応できる患者にやさしいがん治療法です。
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陽子線治療

<特徴>

通常のX線の放射線治療ではがん局部の周囲の正常な細胞も傷つけてしまいますが、陽子線治療はがん局部だけを照射して周囲の正常な 細胞が傷つくことをより抑えることができます。また、痛みもほとんどなく、1日15~30分程度のため、身体への負担が少ない治療です。1日1回、週 3~5回行い、合計4~40回程度繰り返します。
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重粒子線治療

<特徴>

陽子線治療と比べて、さらにがん局部を集中的に治療が可能となります。がん細胞の殺傷効果は陽子線治療の2~3倍大きくなります。 進行したがんは低酸素領域がありますが、このようながんでも治療が可能です。また、X線では治療が難しい深部にあるがんの治療も可能です。治療は1日1 回、週3~5回行い、合計1~40回程度繰り返します。平均では3週間程度の治療になります。1回当たり、15?30分の治療時間になります。
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