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大腸がんとは|検査や治療、ステージなど

大腸がん

大腸がんとは

大腸がんは、長さ約2mの大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすい。大腸がんは、大腸粘膜の細胞から発生し、「ポリープ(腺腫)」という良性の腫瘍の一部ががん化して発生したものと正常粘膜から直接発生するものがある。そのスピードはゆっくりである。大腸がんは、粘膜の表面から発生し、大腸の壁に次第に深く侵入していき、進行するにつれて、リンパ節や肝臓や肺などのほかの臓器に転移する。

大腸がんの症状は、大腸のどこにどの程度のがんができるかによって異なるが、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、原因不明の体重減少などが多い症状である。中でも血便の頻度が高いが、痔など良性疾患でも同じような症状があるので、早めに消化器科、胃腸科、肛門科などを受診することが早期発見につながる。

大腸がんの発見には、便に血液が混じっているかを検査する便潜血検査の有効性が確立しており、症状が出る前に検診などで早期発見が可能である。早期に発見できれば完全に治る可能性が高くなる。少し進んでも手術が可能な病状であれば、肝臓や肺などへの転移(遠隔転移と呼ぶ)が認められていても、手術により根治できる場合がある。切除が難しい転移が起こった時期で発見された場合は、手術に加え、放射線治療や抗がん剤治療(化学療法)が行われる。手術後に再発しても早い時期に見つかれば切除により根治が期待できる場合がある。

大腸がんにかかる割合(罹患率)は、50歳代から増加し始め、高齢になるほど高くなる。大腸がんの罹患率を年を追ってみると、1990年代前半までは増加し、その後は横ばい傾向にある。大腸がんで亡くなる方の割合(死亡率)に関しては、1990年代半ばまで増加し、その後は少しずつ減る傾向にある。男女とも、死亡率は罹患率の約半分であり、大腸がんの生存率が比較的高いことと関連しているといえる。

『見た目による分類』(肉眼分類)

大腸がんは、見た目の形によって0~5型に分類されます。

0型
(表在型)
1型
(隆起腫瘤型)
2型
(潰瘍限局型)
3型
(潰瘍浸潤型)
4型
(びまん浸潤型)
5型
(分類不能)

0型:「表在型」粘膜または粘膜下層までのがん
1型:「隆起腫瘤型」腫瘍の全体が塊状となり腸の内側に出ているがん
2型:「潰瘍限局型」腫瘍の中央が陥凹しており、周囲の組織とがん細胞の境界がはっきりしているがん
3型:「潰瘍浸潤型」2型よりも崩れていて正常な粘膜との境界がはっきりしないがん
4型:「びまん浸潤型」3型よりもがんが周囲に広がり境界がわからないがん(スキルス型ともいわれます)
5型:「分類不能」

平成25年人口動態統計(厚生労働省)


大腸がんの検査と診断

大腸がんが疑われると、がんのある部位や広がりを調べるために、直腸指診や直腸造影検査、内視鏡検査、CTやMRIなどを行う。

直腸指診
指をお尻から直腸内に入れて、しこりや以上の有無を指の感触で調べる。
直腸造影検査
検査の前日に検査食を食べて腸内をきれいにしてから、お尻からバリウムと空気を注入し、X線写真を撮る。
この検査でがんの正確な位置や大きさ、腸の狭さの程度などがわかる。
大腸内視鏡検査
腸内をきれいにしてから、先端にライトとカメラレンズ(ビデオスコープ)のついた内視鏡をお尻から挿入して、直腸から盲腸までの全大腸を詳細に調べる。ポリープなどの異常(病変)がみられた場合は一部組織を採取して(生検)悪性か良性かを鑑別したり(病理検査)、内視鏡で根治可能な早期がんと手術が必要な病変との判別を行う。最近では、一部の医療施設では病変の表面構造を最大で100倍まで拡大して観察できる拡大内視鏡を用いて、より精密な検査も行われるようになってきている。
大腸内視鏡検査は通常、20分程度で終わり、多くの場合、大きな苦痛はない。しかし、開腹手術後などで腸が癒着している方や、腸の長い方などは苦痛を伴ったり、検査に長い時間を要することがある。その場合は、鎮静・鎮痛剤を使用することがある。
腫瘍マーカー(血液検査)
腫瘍マーカーとは、体のどこにがんが潜んでいると異常値を示す血液検査の項目のことで、がんの種類に応じて多くの種類がある。転移・再発の評価指標として、また治療の効果判定などのためにも用いられている。大腸がんではCEAとCA19-9と呼ばれるマーカーが一般的。しかしこれらの腫瘍マーカーで大腸がんを早期に発見することはできず、進行大腸がんでも異常値が認められない場合もある。腫瘍マーカーは定期的に測定して判断することが必要。
超音波(エコー)検査
大腸がんと周囲の臓器の位置関係、がんの転移の有無を調べる。
CT、MRI検査
CTは、Ⅹ線を使って体の内部(横断面)を描き出し、治療前に転移や周辺の臓器へのがんの広がりを調べる。MRIは磁気を使用する。CTで造影剤を使用する場合、アレルギーが起こることがある。ヨードアレルギーの経験のある人は医師に申し出る必要がある。
PET
放射性ブドウ糖液を注射し、その取り込みの分布を撮影することで、全身のがん細胞を検出する検査。超音波検査、CT、MRIや病理検査で診断が難しい場合、腫瘍マーカーなどの異常から転移や再発が疑われる場合などには、PETで検査することもある。

大腸がんの病期(ステージ)

病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいう。説明などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多い。病期には、ローマ数字が使われ、大腸がんでは、0期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に分類されている。病期は、がんの大きさではなく大腸の壁の中にがんがどの程度深く入りこんでいるか(深達度)、周辺組織への広がり(浸潤)の程度、およびリンパ節への転移や肝臓・肺などの遠隔臓器への転移の有無によって決まる。病期により治療方法が決まっている。


大腸がんの進行度分類(ステージ)と5年生存率

大腸癌取扱い規約(第8版)による進行度分類(ステージ)

大腸癌取扱い規約によるステージ分類は、がんの浸潤の度合い=壁深達度(T:がんの深さ)とリンパ節転移(N)、遠隔転移(M)の程度で決まり、これら3要素を組み合わせて0、I、II、IIIa、IIIb、IVの6段階に分類されます。

大腸がんの進行度分類(ステージ)
  M0 M1
N0 N1 N2/N3 Any N
Tis 0 - - -
T1a・T1b Ⅲa Ⅲb
T2
T3
T4a
T4b
大腸がんの壁深達度(T)
Tis がんが粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいない
T1a がんが粘膜下層までにとどまり、浸潤距離が1000μm未満である
T1b がんが粘膜下層までにとどまり、浸潤距離が1000μm以上である
T2 がんが固有筋層まで浸潤し、これを越えていない
T3 がんが固有筋層を越えて浸潤している
T4a がんが漿膜表面に露出している
T4a がんが直接他臓器に浸潤している
大腸がんのリンパ節転移(N)
N0 リンパ節転移を認めない
N1 腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移総数が3個以下
N2 腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移総数が4個以上
N3 主リンパ節に転移を認める
下部直腸がんでは側方リンパ節に転移を認める
大腸がんの遠隔転移(M)
M0 遠隔転移を認めない
M1 遠隔転移を認める

直腸がん

直腸がんとは

直腸がんとは、大腸の直腸の部分にがん細胞が認められることである。一般に大腸がんと言われているのは、この直腸がんと結腸がんの総称である。そして、直腸がんは大腸がんの中の約5分の2を占める。また、男女比では6:4と若干男性の発生率が高い。

主な発生の原因は、欧米の食習慣が広まったことによる動物性の脂肪の摂取量増加にあるとされている。発がんの予防に有効なのは、不飽和脂肪酸が多く含まれる魚、食物繊維が多く含まれる野菜や果物、β(ベータ)カロテンを多く含む緑黄色野菜を摂取することである。

症状、発見方法

直腸がんの主な初期症状は、肛門からの出血である。排便までに血液が黒く変色する他の臓器からの出血と比較し、肛門に近い直腸がんの出血の場合は排便の最、比較的血の色が出やすいことが特徴として挙げられる。しかし、痔からの出血と考えることも多いため、見過ごされることも多い。肛門からの出血が見られた場合は個人で判断をせず、診察を受けることが重要である。

血便の他に、便秘、下痢、便が細くなる、残便感、腹痛、食欲の変化、貧血などの症状が見られる場合も直腸がんが疑われる。そのような場合は速やかに大腸肛門科を受診するのが好ましい。体の変化にすぐに気付くためにも、日ごろから便の形や色を観察することも重要である。

治療法

前述のとおり、直腸がんは比較的発見しやすいがんである。しかし、治療となると結腸がんと比較して少々困難になることが多い。直腸の周囲には神経や筋肉、生殖器、尿道があるため、手術後に排尿障害や性機能障害が起こることもある。

患者の傾向(年齢等)

直腸がんを発症しやすい人の特徴として、親族に直腸がんを発症したことのある人がいる、40歳以上である、結腸直腸がん発症したことがある、直腸もしくは結腸のポリープを発症したことがある、子宮内膜、卵巣、乳がんを発症したことがある人が挙げられる。

治療法

手術(外科療法)

<特徴>

がん病巣を手術で除去する療法で、原発巣だけでなく、他の部位に転移した転移巣も取り除きます。がんそのものを外科手術で除去する局所療法です。がんの治療法として最も基本的な治療法です。
手術(外科療法)の詳細についてはこちら

抗がん剤(化学療法)

<特徴>

化学物質(抗がん剤)を利用してがん細胞の増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療法です。全身のがん細胞を攻撃・破壊し、体のどこにがん細胞があっても攻撃することができる全身療法です。
抗がん剤(化学療法)の詳細についてはこちら

免疫細胞療法

<特徴>

身体の免疫を担う本人の細胞を体外で大量に数を増やし、機能を増強あるいは付加した上で体内に戻して行われる治療法です。上記の三大治療法に対して、近年注目されてきている、副作用がほとんど確認されていない先進的ながん治療法で、目に見えないがんや転移防止に有効な全身療法です。
がんに対する抗がん剤などの積極的な治療は行わず、症状などを和らげる治療に徹する
ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)の選択肢の一つです。
免疫療法は副作用が少ないため、症状の緩和やQOLを高めることにつながります。

<対象となるがん>
かなり進行してしまっている方から比較的に早期に手術ができた後に再発を抑えることを目的とした方まで広く対象となります。血液がんを除く多くのがん種に適応できます。

<副作用>
もともと患者自身の細胞を利用するので、他の治療と比べると副作用が極めて少なく、身体への負担が軽い治療法と言えます。

<活性化リンパ球療法>
体内のリンパ球を活性化させ増やして、それを治療に使う方法で、免疫細胞療法の一つです。体内のリンパ球を一度体外へ出し、そこで活性化させてからふたたび体内へ戻します。がんの初期の段階から、再発予防を目的とした選択肢として期待の持てる治療法です。
活性化リンパ球療法の詳細についてはこちら
※白山通りクリニックのWEBサイトに移動します。

<併用療法>
活性化リンパ球療法を抗がん剤や放射線治療と組合せ行えば、増加しやすい細胞と増え難い細胞ともに治療のターゲットとなりますので、再発予防の際に効果的です。副作用を出来るだけ少なくできますので、QOLの維持・向上がしやすいです。
なお、抗がん剤や放射線治療と、活性化自己リンパ球療法を組合せて行う場合は、抗がん剤治療を受けているケースでは培養ができないわけではありませんが、抗がん剤治療を始める前に採血する方がより望ましいと考えられています。
併用療法の詳細についてはこちら

放射線療法

<特徴>

腫瘍の成長を遅らせるために、あるいは縮小させるために放射線を使用する治療法です。がんに侵された臓器の機能と形態の温存が出来ますまた、がんの局所療法であるため、全身的な影響が少なく、高齢者にも適応できる患者にやさしいがん治療法です。
放射線療法の詳細についてはこちら

陽子線治療

<特徴>

通常のX線の放射線治療ではがん局部の周囲の正常な細胞も傷つけてしまいますが、陽子線治療はがん局部だけを照射して周囲の正常な 細胞が傷つくことをより抑えることができます。また、痛みもほとんどなく、1日15~30分程度のため、身体への負担が少ない治療です。1日1回、週 3~5回行い、合計4~40回程度繰り返します。
陽子線治療についてはこちら

重粒子線治療

<特徴>

陽子線治療と比べて、さらにがん局部を集中的に治療が可能となります。がん細胞の殺傷効果は陽子線治療の2~3倍大きくなります。 進行したがんは低酸素領域がありますが、このようながんでも治療が可能です。また、X線では治療が難しい深部にあるがんの治療も可能です。治療は1日1 回、週3~5回行い、合計1~40回程度繰り返します。平均では3週間程度の治療になります。1回当たり、15〜30分の治療時間になります。
重粒子線治療についてはこちら

再発予防

がんの再発予防のために行われる治療法としては薬物療法、術後補助療法、免疫療法という主に3つの術後補助療法があります。再発予防に当たってはできるだけ副作用がない方が良いと考えられておりますが、免疫療法の活性化自己リンパ球療法は副作用が非常に少ない治療法です。
再発予防についてはそれぞれの治療に特徴がありますので、積極的に情報を集め、主治医と相談して、治療法を選択することが大切です。
再発予防についてはこちら

治療実績

2013年に厚生労働省行った「DPC導入の影響評価に関する調査」に基いた治療実績の情報になります。
大腸の悪性腫瘍の治療実績についてはこちら

コラム

第2回 大腸癌
歴史上の人物の病気や死因などを診断します。

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