がん治療.com おすすめコンテンツ

心理状態の遷移
告知をされてから、がん患者の心理はどのように遷移するのか?
ストレス解消法
がん治療は大きなストレスとなりますが、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
医師との付き合い方
がん治療するうえで、医師と上手に付き合っていくには?
  • がん治療.com コンテンツ一覧
  • がん治療.com 用語集

『患者さんのための大腸癌治療ガイドライン(2014年度版)』書評

編集: 大腸癌研究会
発行所: 金原出版株式会社
書籍の購入

本書は2006年に第1版が刊行され、2009年の第2版をさらに改訂した第3版です。医師向けのガイドラインの改訂に合わせて作成されたものですが、イラストや写真が大きく掲載されているのが大きな特徴です。大腸癌の検査から治療方法だけでなく、手術後に多くの患者さんが不安に思うことも広くカバーしています。

基礎知識や治療方針を豊富な写真とイラストで紹介

大腸癌は、がんの中でも発生率の多いものとして知られています。がんで死亡された方のうち、大腸癌は男性で第3位、女性では第1位です。国立がん研究センターによる統計予測では、2016年に新しくがんと診断される人のうち、最も多い部位は大腸であると推測されています。

一方で、大腸癌の手術自体は比較的難しいものではなく、手術後のケアも複雑ではないため、大腸癌の手術は大学病院に限らず一般の病院でも行われています。身近な病院で、真摯に対応してくれる医師を信頼しながら治療を受けられるので、治療環境としては比較的理想な状況であると言えます。

しかしながら当然、大腸癌の治療方法や、手術後の社会復帰などに不安を感じている人は多いでしょう。あるいは、そもそも大腸がどのような臓器なのか(結腸と直腸の違いなど)、手術で切除する場合のあるリンパ節が何なのか、今さら医師に質問できないという人もいるかもしれません。そういった不安や疑問に対して、本書では丁寧な文章で回答しています。

大腸癌の進行度(ステージ)は、癌が大腸のどの程度の深さまで入り込んでいるか(深達度)、リンパ節への転移程度、大腸以外の部位への転移程度から決められます。ステージによって治療方針が異なり、医師向けのガイドラインにおいても重要なポイントです。この治療方針に関して、本書では詳しく述べられており、「自分はどのステージで、大腸癌がどのような状態だから、この治療を受ける必要がある」と易しく理解できるように紹介されています。

ステージに応じた治療方法も、豊富なイラストと写真で示しながら解説されています。早期の大腸癌の治療で注目されている内視鏡治療や、結腸の一部を切除する手術治療、再発を防ぐための化学療法(抗がん剤療法)などが紹介されています。比較的新しい治療方法である括約筋間直腸切除術(特殊な肛門温存手術、ISR)、腹腔鏡下手術にも触れています。

社会復帰における不安を解消する

大腸癌の治療において大きな不安は、社会復帰ではないでしょうか。今までどおりの食事を続けてもいいのか、排便の感覚が変わるのではないか、人工肛門とは何なのか、心配に思う方がほとんどでしょう。

その点に関しても、本書では正直に回答しています。特に人工肛門については、一時的人工肛門と永久人工肛門の2種類があることを紹介した上で、人工肛門の管理方法(ストーマケア)など、Q&A方式で詳しく解説されています。人工肛門と、そこに当てて便を回収する袋(パウチ)の写真も掲載されています。

人工肛門になると、排便の位置が変わったり、排便や排ガスのコントロールできなくなったりするなど、今までとは違う感覚になるのは事実です。しかしながら、特別な食事制限はなく、多くの患者さんは学校や会社に復帰しており、適度なスポーツや旅行も可能です。温泉につかることもできると明言しています。もし人工肛門になると医師から言われたときには、ぜひ一読することをおすすめします。

患者さんが社会復帰するためには、本人の努力はもちろんのこと、周囲のサポートや理解も欠かせません。人工肛門のことを誤解している人がいれば、患者さんの社会復帰の妨げになるでしょう。本書は、大腸癌と診断されて治療を受ける患者さんはもちろんのこと、身近に大腸癌の治療を受けている人がいるという人にも読んでいただきたい一冊です。

書籍プレゼント

がん治療.comでは、今回紹介した書籍を抽選で3名様に無料でプレゼントします。
下記の募集概要をご確認のうえ、ご応募ください。
応募頂いた方には、今後メールマガジンなどのご案内をさせて頂く場合がございます。

【応募に関して】
この応募は締め切りました。

書籍の購入

関連記事

大腸癌